【鶴の湯だより 2004.2.12配信 NO82より】
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鶴之助独り言(大河「新撰組」に思う)
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NHK大河「新選組」が好評なようですね。
京都の街も、観光客を呼び込もうとしてか「誠」の旗など新選組グッズが目につきます。     
                                     
テレビで紹介されてましたが、今、新選組は若い女性に大人気で静かなブームになっているとか。

NHK大河の「新選組」の近藤勇も非常に爽やかで、コミカル。
女性受けしそうな演出です。(だから視聴率もいい)

でも140年前に実在した近藤勇って「こんなんとちゃうやろ」って思うのは私だけでしょうか?
もちろん、プロレスをショーと割りきって鑑賞するようにフィクションとして大河ドラマを軽く楽しむって考え方はあると思いますが..

でも歴史モンなんですから、「もっと実像に迫った近藤勇を見たいんやけど」って言いたくなります。

ドラマ全体にしても、あまり爽やかで美化した「新選組」では少々物足りないなあとも思います。
歴史の真実には清と濁、明と暗、両方が混在しているのですから。

内部抗争や粛清で隊士が40名以上が殺されている事実を考えるとかなり実際の新選組には陰湿で血生臭さがあります。
(芹沢一派や高台寺党の暗殺や山南敬介切腹などその代表例)

例えが悪くて怒られそうですが、チョット昔の赤軍派集団リンチ事件や革マル対中カクの内ゲバに少し似た集団心理みたいなものも感じます。

新選組にはもちろんピュアで美しい精神性はあったとは思いますが、近藤勇にも功名心はあったし、土方歳三にも偏狭で陰険なところは実際あったのではと思います。
そういうところもリアルに表現すると面白いのになと..

綺麗でカッコのいいとこだけ見てもホントの人物像や歴史は見えてきません。

もしタイムマシンがあってホンマモンの近藤さんや土方さんを見たら今の大半の女性フアンは怖くなって、興醒めしてしまうんでは..

レプリカな世界に慣らされた軟な現代女性には、一種思いこみの激しい幕末の群狼はとても異様できつ過ぎるんではないでしょうか。
時代も習慣も考え方も違う武骨なサムライと歯の白い爽やかでナイーブな現代青年をダブらせてイメージしてはあきまへん。

色んな角度から歴史上の人物像や出来事を冷静に観察して実像を探り、楽しむ。
そして今の自分に透かしてみる、これが大人の歴史ドラマの観方だと思っているんですが..
皆さんはいかがお考えに?(^o^)/
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